交流回路で、直流回路の抵抗に相当するものがインピーダンスです。1Aの交流の電流が流れる導体の2点間の交流の電圧が1Vのとき、その2間のインピーダンスは1Ωです。
インピーダンスの例
コイル
コイルのインダクタンスLの単位はH[ヘンリー]です。
H[ヘンリー]は、1秒間に1Aの割合で変化する直流の電流が流れるとき、1Vの起電力が発生する閉回路のインダクタンスです。
- インピーダンス\(Z=j\omega L[Ω]\)
- 周波数が高いとインピーダンスが大きくなる。
- 電圧\(\dot{V}\)は、電流\(\dot{I}\)より90°進む。
- 電流\(\dot{I}\)は、電圧\(\dot{V}\)より90°遅れる。
コンデンサ
コンデンサの静電容量Cの単位はF[ファラド]です。
F[ファラド]は、1クーロン(1秒間に1Aの直流の電流によって運ばれる電気量)を充電したとき、1Vの直流の電圧を発生する二導体間の静電容量です。
- インピーダンス\(Z=\frac{1}{j\omega C}[Ω]\)
- 周波数が高いとインピーダンスは小さくなる。
- 電圧\(\dot{V}\)は、電流\(\dot{I}\)より90°遅れる。
- 電流\(\dot{I}\)は、電圧\(\dot{V}\)より90°進む。
シミュレーションによる具体例
コイル
1V,1Hzの交流電源に、1Hのコイルを接続した例です。(シミュレーション上、図示しない1mΩの直列抵抗を挿入)
電流は、電圧より90°遅れます。
コンデンサ
1V,1Hzの交流電源に、1Fのコンデンサを接続した例です。
電流は、電圧より90°進みます。