アナログからディジタルへの変換では、正弦波の電圧や電流といった交流信号の例がよく用いられます。交流信号は、最大値、ピーク・ピーク値、平均値、実効値で大きさを表します。
交流信号を表す値
周期と周波数
- 周期:くりかえし信号の最小単位。 \( T \)で表されることが多い。
- 周波数:1秒間にくりかえされる周波の数。\( f \)で表されることが多い。
周期と周波数には、次の関係があります。
$$ f = \frac{1}{T}$$
最大値
名前の通り、交流信号の最大の値を表します。
ピーク・ピーク値
ピーク・ピーク値は、プラス(正)側の最大値からマイナス(負)側の最大値までの値です。0を中心としたプラス(正)側の最大値を2倍した値です。
平均値
マイナス(負)側の半周期の符号をプラスに変えて、1周期を平均した値です。正弦波の場合、最大値を2倍して\( \pi\)で割った値です。( \( \frac{2}{\pi}\) )
実効値
交流信号を加えた時に消費される電力と同じ値を、直流信号で表した値です。正弦波の場合、最大値の\( \frac{1}{\sqrt{2}}\)倍が実効値です。
各値の相互変換
正弦波の最大値、平均値、実効値は、ある定数を掛けたり割ったりすることで、別の値に変換することができます。
変換先 | ||||
最大値 | 平均値 | 実効値 | ||
変換元 | 最大値\(E_{m}\) | 1 | \( \frac{2}{\pi}\) | \( \frac{1}{\sqrt{2}} \) |
平均値\(E_{avg}\) | \( \frac{\pi}{2}\) | 1 | \( \frac{\pi\sqrt{2}}{4}\) | |
実効値\(E_{ev}\) | \( \sqrt{2}\) | \( \frac{2\sqrt{2}}{\pi} \) | 1 |